【セントラル浄水器】逆浸透膜より活性炭の理由と効果
「浄水器のフィルターで逆浸透膜とはなんでしょうか。セントラル浄水器のフィルターを調べていて見つけました。」
「逆浸透膜とはフィルターのろ材の一つです。では、具体的に説明していきます。」
まずは自己紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、創業33年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。長年セントラル浄水器の販売を行なっている弊社が、気になる疑問についてお応えします。
「逆浸透膜」とはろ過膜の種類
逆浸透膜(RO膜 / Reverse Osmosis Membrane)はろ過膜の一つです。超微細な網目に水を通過させ、水中の不純物を除去します。
海水・淡水のプラントや医療分野、食品工場など主に業務用や研究用途での浄水処理に使われることが多いですが、近年、ウォーターサーバーや家庭用の小さな浄水器のフィルターとしても使われるようになりました。しかし、除去能力が優れている一方で、いくつかのデメリットがあり、セントラル浄水器のような住まいの大元から大量の水を浄水する浄水器では、浄水効率の良い活性炭などの複数のろ材を組み合わせたものが使われることが多いです。
「なるほど。で、どんなデメリットがあるんでしょうか。」
「逆浸透膜」のデメリット
「広く知られているのが、次のようなデメリットです。」
- 1. 浄水処理のスピードが遅い
- 2. 美味しい水の必須要素であるミネラルまで除去してしまう
- 3. 設備が高額
1. 浄水処理のスピードが遅い
元々は、海水を淡水にする目的のためにアメリカで開発されたもので、事業用途や研究用途での活用が主なものでした。非常に優れたろ過能力がある一方で、超微細な孔(約0.0001ミクロン)を水が通過するため、時間当たりの浄水スピードが遅いことが、生活水の浄水をする上では、大きなデメリットになります。
「確かに、浄水能力が優れていても、水の出が少ないと、一般の生活では使えませんね。特に、セントラル浄水器は生活水全てを浄水するので、ちょっと現実的ではありませんね。」
2. 美味しい水の必要要素であるミネラルまで除去してしまう
優れた浄水力がゆえに、いわゆる「美味しい水」の必須要素であるミネラル分まで全て除去してしまいます。
「弊社のセントラル浄水器『ソリューヴ』では、カートリッジ・フィルターの孔を1ミクロンとしています。それには、大事なミネラルを除去しないという理由があります。」
市販されている浄水器には0.1ミクロンの濾過材を使用したものがありますが、0.1ミクロンでは流水量が落ちる為にキッチンでしか使用出来ず、更には水に含まれるミネラルまでも除去してしまいます。ミネラルは体内で造ることの出来ない必要不可欠な補酵素です。体内で起こる科学反応の触媒である酵素をサポートします。
そして水はミネラル摂取の重要な摂取源なのです。ミネラルの重要な摂取源である水からミネラルを除去することなく、有害物質だけを除去するため、セントラル浄水器『ソリューヴ』では、1ミクロンの濾過材を採用しています。
「全てを除去するのも逆に問題なんですね。」
3. 高額
研究施設などでも使われるもので、設備が高額です。メンテナンスや交換用のフィルターを考えると、とりわけセントラル浄水器のような住まいや施設の全体を浄水するようなものには向いていません。
「逆浸透膜以外にはどんなフィルターがあるんですか?」
代表的なカートリッジ・フィルターをご紹介
「以下は、浄水器に使われる代表的なカートリッジ・フィルターです。」
浄水器のメインの部分がカートリッジ・フィルターです。このフィルターの核となる「ろ材」にはいくつか種類があります。できることに一長一短がありますので、製品ごとに各ろ材を組み合わせてフィルターを作っています。代表的なろ材は以下の通りです。
活性炭
活性炭は、樹木や石炭や椰子がら、竹などを高温で加熱処理してできた炭で、粒状、粉状、繊維状などの形状で浄水器に使用されています。中でも、椰子がらを原料にしたろ材は良質で、浄水器にはよく使われます。活性炭の表面に無数の小さな穴があり、それらが分子状の有機物などの不純物質を吸着させます。
残留塩素・トリハロメタン・農薬・異臭・カルキ臭・カビ臭など |
セラミック
セラミックには小さな穴が多数空いていて不純物を除去します。中空糸膜とほぼ同じですが、よく活性炭と併用されることが多いです。
一般細菌、水カビ、赤錆など |
中空糸膜
ポリエチレンなどの素材で作られるもので、中が空洞のパイプ状の糸になります。壁側に小さな穴が開いており、穴は細菌よりも小さくこの穴を通過するときに粒子状の有害物質や細菌を除去します。
赤錆、濁り成分、水カビ、一般細菌など |
逆浸透膜
フィルターに高い圧力をかけて水を透過させ、有害物質を除去します。除去能力は高いですが、通過する穴が小さすぎるため時間あたりの浄水量が遅いです。水に含まれるミネラル分までも除去してしまう。
一般細菌、アスベストアルミニウム、トリハロメタン、農薬、ダイオキシン、環境ホルモンなど |
「では、ここで実際にカートリッジ・フィルターがどの程度効果があるかを見てみましょう。」
カートリッジ・フィルターの具体的な効果を見る
ではここで、実際にフィルターがどの程度、不純物を浄水できているのか実際の効果の部分をご覧ください。こちらは、弊社セントラル浄水器『ソリューヴ(SOLUVE)』の事例になりますが、セントラル浄水器『ソリューヴ(SOLUVE)』をお使いのお客様が、一年に一度カートリッジ・フィルターを交換された際の使用済みのカートリッジ・フィルターと新品のカートリッジ・フィルターを比較した画像です。いかがでしょうか。
「うわっ…。汚れているのがわかります。これは、浄水器をつけていなかったら、毎日普通に使っているってことですよね。いや、実際ここまでとは思いませんでした。1年間の蓄積ってすごいですね。」
「当然、地域によって水質の違いはありますが、概ね同じような結果になります。それだけ、水道インフラの老朽化や経年劣化が生じていることが見て取れると思います。弊社、『ソリューヴ』の特設ページには、その他の地域の画像なども公開しておりますので、詳細はそちらをご覧ください。」
「実際に、どこまで浄水されているのかを、事前に見ることなかったので、この対比はわかりやすいです。よく、浄水した水と水道水をなんかの薬を使って色の変化を見るプロモーションってあるじゃないですか。その後、水道水が美味しいかおいしくないか飲んでみるっていう…。あれは、個人差があるだろって思ってたんですが、これは、わかりやすいです。」
実際、浄水器を設置した後に、塩素が浄水されているかをテストするために、DPD試薬と呼ばれる塩素に反応する試薬を使って、ピンク色に反応するかしないかを検査することがありますが、このテスト自体は、浄水器がきちんと設置されたかどうかを検査する上で大事な試験になります。
こちらが、ソリューヴのDPD試薬検査の結果例になります。
「本当だ。」
まとめ
「いかがでしたでしょうか。逆浸透膜とその他のフィルターのろ材それにその効果について解説しました。」
「逆浸透膜についてはわかりました。一般生活の中でのどこまでの浄水が必要か、それに全てをろ過すれば良いわけじゃないこと。特に、セントラル浄水器で生活水全体を浄水したい場合のデメリットは理解ができました。」
「弊社では、フィルターの浄水性能を第三者機関を通して検査をしています。フィルターに関してご興味がありましたら、以下のリンクをご覧ください。」
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