【全国初調査】PFASの健康影響と水道水調査開始
「PFASって特定の地域だけではなく全国各地で問題になってませんか?」
「確かに気になりますね。では、解説します。」
まずは自己紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、創業33年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。長年セントラル浄水器の販売を行なっている弊社が、気になる疑問についてお応えします。
PFASとは
PFAS(ピーファス)は有機フッ素化合物の総称で、主に工業製品のコーティングや消火剤などに使用されてきました。これらの物質は自然環境で分解されにくく、人体への有害性が指摘されています。特に「PFOA」と「PFOS」という2種類は、発がん性やその他の健康影響が問題視されています。
全国初の水道水PFAS実態調査
国は、全国の水道水に含まれるPFASの実態を把握するため、初めての大規模調査を行うことを決定しました。環境省と国土交通省が共同で実施するこの調査は、全国の水道施設約1万2000カ所を対象にしています。特に5000人以下に供給する小規模な水道も含めた全国的な調査は初めてです。
有機フッ素化合物のPFASが一部の地域の水道水から検出されたことなどを受け、国は全国の水道水のPFAS検出状況を把握するため、自治体や水道事業者に対し、これまでの水質検査の結果などを9月末までに回答するよう要請しました。
NHK 「全国の水道水のPFAS検出状況把握へ 国が検査結果など報告要請」より引用
人体への有害性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」について、国が都道府県などに水道水の調査を求めたことが分かりました。小規模な水道も含めた調査は初めてです。
テレ朝 「全国の水道で初の「PFAS」実態調査 国が要請」より引用
食品安全委員会は24日、有害な有機フッ素化合物「PFAS」について初の評価をまとめ、国にリスク管理を求めた。PFASは河川や水道水で広範に検出され、特に「PFOA」と「PFOS」が毒性が強いという。
FNNプライムオンライン 「【解説】“有害”PFASに初の評価 水道水は安全か異例の全国調査 岡山・吉備中央町では基準値“28倍”…住民に不安広がる」より引用
「なるほど。」
調査の背景
2023年10月、岡山県吉備中央町で水道水から国の暫定目標値の28倍もの濃度のPFASが検出されたことが大きなニュースとなりました。この事態を受け、住民からは大きな不安の声が上がり、国は迅速な対応を求められました。この事例が調査の引き金となり、全国的な実態を把握する必要性が高まりました。
調査の内容
国は、自治体や水道事業者に対して、過去の水質検査結果や、PFASが検出された場合の最大濃度、検査を実施していない場合はその理由や今後の実施予定についての回答を求めています。特にこれまで一度も水道水のPFAS検査を実施していない事業者に対しては、2024年9月30日までに少なくとも1回の水質検査を行い、報告することが求められています。
PFAS汚染の現状
PFAS汚染は、国内のさまざまな地域で確認されています。特に都市部や工業地帯では、高濃度のPFASが検出されるケースが増えています。以下に、いくつかの具体例を紹介します。
東京
東京では、武蔵野市の複数の小学校で井戸水から基準値を超えるPFASが検出されました。このため、浄水器を設置するための補正予算が組まれ、対応が進められています。
沖縄
沖縄では、アメリカ軍基地周辺の河川や湧き水での水質調査が行われ、その結果、33地点で国の目標値の50ナノグラムを超えるPFASが確認されました。これは、基地からの流出が原因と考えられています。
岡山県吉備中央町
前述のように、岡山県吉備中央町では、国の暫定目標値の28倍もの濃度のPFASが検出されました。これにより、住民には大きな不安が広がり、町は飲み水としての使用を制限するなどの対応を行っています。
「これに止まりませんよね。日々全国のどこかでニュースになっている印象です。」
PFASの健康影響
内閣府の食品安全委員会は、PFASの健康影響に関する初の評価書を発表しました。この評価書では、PFASが発がん性、出生時の体重低下などと関連がある可能性があるとされています。
内閣府の食品安全委員会は25日、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の健康影響について、国として初となる評価書を決定した。
日本経済新聞 「PFASの影響、一部関連「否定できず」 食品委が初評価」より引用
発がん性
PFASの中でもPFOAとPFOSは、特に発がん性が強いとされています。WHO(世界保健機関)は2023年12月に、PFOAの発がん性を2段階引き上げ、4段階中で最も高い「発がん性が高い」グループに分類しました。これは、カドミウムやアスベスト、プルトニウムと同じグループです。
出生時の体重低下
PFASは、出生時の体重低下とも関連があるとされています。この影響は特に妊婦にとって重大であり、胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があります。
国の対応と今後の展望
国は今回の調査結果をもとに、現在の暫定目標値の見直しを議論する予定です。現行の目標値は、PFOAとPFOSの合計で1リットル当たり50ナノグラムですが、アメリカやドイツと比較すると、日本の基準はかなり緩いとされています。例えば、アメリカでは各4ナノグラム、ドイツでは4種合計で20ナノグラムと厳しい基準が設定されています。今後の対策としては、以下のようなものが考えられます。
目標値の見直し
より厳しい基準を設けることで、PFASの濃度を低減し、健康リスクを最小限に抑えることが求められます。
浄水機能の強化
PFASを効果的に除去できる浄水技術の導入が進められています。特に高濃度のPFASが検出される地域では、浄水場の設備を強化する必要があります。
継続的なモニタリング
定期的な水質検査を行い、PFASの濃度を監視することが重要です。これにより、早期に問題を発見し、適切な対応を取ることができます。
住民への情報提供
住民に対して、PFASの健康影響や対策についての情報を提供し、不安を解消するためのコミュニケーションが必要です。
PFASは、私たちの生活に深刻な影響を及ぼす可能性のある有害物質です。今回の全国的な水道水調査は、その実態を明らかにし、適切な対策を講じるための重要なステップです。私たち一人一人がPFAS問題に関心を持ち、情報を共有することで、健康で安全な生活環境を守るための一助となります。
PFAS問題は、環境と健康の両面から取り組むべき重要な課題です。国や自治体が実施する調査や対策に注目しながら、自分たちができることを考え、行動することが求められます。
まとめ
「いかがでしたでしょうか。初のPFAS全国調査について解説しました。」
「はい。よく分かりました。」
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