高度浄水処理って何?
「浄水場の設備で高度浄水処理ってあるんですが、どういったものなんでしょうか。」
「確かに気になりますね。では、解説します。」
まずは自己紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、創業33年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。長年セントラル浄水器の販売を行なっている弊社が、気になる疑問についてお応えします。
高度浄水処理とは
高度浄水処理とは、これまでの凝集沈殿とろ過という通常の浄水処理に加えて、オゾン処理と粒状活性炭処理を加えた方法です。その目的は、有機物やカビ臭やトリハロメタンの低減、またカルキ臭への効果にあります。地域によっては、水質の変化や水温の変化、また豪雨災害などが起き、原水水質の変化への対応が求められていました。詳しい用語の定義としては以下のようになっています。
凝集沈澱+急速ろ過等の濁質の除去を目的とする浄水処理を「通常の浄水処理」とした上で、有機物やカビ臭等の溶解性成分の除去を目的とする粉末活性炭処理、粒状活性炭処理、オゾン処理、生物処理の一つまたは複数を組み合わせた浄水処理方式を「高度浄水処理」と表記した。
「これまでと何が違うんですか?」
基本的にはこれまでの凝集沈殿とろ過という工程に、オゾン処理と粒状活性炭処理が追加される形になります。
オゾン処理
従来の処理では、取り除けなかったカビ臭や有機物をオゾンによって酸化・分解します。
においのある水をオゾンに通すと、においの素が分解されます
千葉県 「高度浄水処理について」より引用
粒状活性炭処理
オゾンによって酸化・分解したものを活性炭によって吸着し除去します。
オゾンで分解しても残っているにおいの素が活性炭にくっついて、取り除かれます
千葉県 「高度浄水処理について」より引用
「そもそも、通常の凝集沈澱っていうのはどんな処理なんでしょうか。」
凝集沈澱とは
水中のごみ同士をくっつけて重くし、沈みやすくすることです。
水中のごみは表面がマイナスの電気で帯電しているため、電気的に反発してくっつきにくい状態になっています。また、水中のごみは小さいものが多いため、そのままだとろ過がしにくい状態となったいます。
そこで、プラスに帯電している薬(凝集剤)を入れ、凝集剤の中心に電気的にごみを集めてくっつけることで、沈みやすく、ろ過しやすい状態にします。
神奈川県 「凝集沈殿とは」より引用
「これまでの処理では対処できなかったカビ臭や有機物、トリハロメタンなどへの対策を加えた部分が高度浄水処理になるんですね。」
東京都の水と高度浄水処理
東京都では、安心して美味しい水を飲めるように、高度浄水処理を始めました。
なぜ高度浄水処理を始めたのか?
1970年代、金町浄水場で夏になると水がカビ臭くなる問題がありました。この原因は藻の一種が出す物質でした。最初は粉末の炭を使ってにおいを取っていましたが、もっと効果的な方法が必要でした。そこで、高度浄水処理が導入されました。
東京都の高度浄水処理では、オゾンと活性炭というものを使って水をきれいにしています。オゾン処理はオゾンという気体を使って水の中のにおいの元を分解します。また、水の中の細かい汚れを取り除きやすくする効果もあります。活性炭処理は活性炭という特別な炭を使って水の中のにおいや汚れを吸着します。さらに、この炭には微生物が住んでいて、汚れを分解する働きもあります。
高度浄水処理の効果
この方法を使うことで、カビのにおいや薬品のにおい、さらに水の中に含まれる有害な物質を大幅に減らすことができます。これにより、水がより安全で美味しくなります。
「なるほど。」
まとめ
「いかがでしたでしょうか。高度浄水処理について解説しました。」
「はい。よく分かりました。」
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