指定給水装置工事事業者とは
「指定給水装置工事事業者って、いわゆる水道工事屋さんってことでしょうか?どういう事業者のことをいうのか知りたいです。」
「確かに気になりますね。では、解説します。」
まずは自己紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、創業33年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。長年セントラル浄水器の販売を行なっている弊社が、気になる疑問についてお応えします。
指定給水装置工事事業者とは
指定給水装置工事事業者とは、一般的に「水道局指定業者」などとも言われていますが、給水管の新設、改造、修繕、撤去などの工事を専門的に行うことができ、水道事業者(水道局など)によって認められた事業者です。給水管や関連する設備の工事において、高度な技術と信頼性が求められます。そのため、指定給水装置工事事業者は一定の基準をクリアし、国家資格を持つ給水装置工事主任技術者を配置しています。指定給水装置工事事業者は公的な規定に基づき、高品質な工事を提供することが期待されます。
指定給水装置工事事業者の重要性
指定給水装置工事事業者の重要性は大きく、いくつかの理由が挙げられます。
安心して依頼できる信頼性
指定給水装置工事事業者は一定の基準をクリアし、公的な認定を受けた専門業者です。そのため、安心して工事を依頼することができます。
高品質な工事の提供
指定給水装置工事事業者は国家資格を持つ技術者を配置し、公的な規定に基づいて工事を行います。そのため、高品質な工事の提供が期待されます。
トラブルの軽減
指定給水装置工事事業者は水道局や自治体との信頼関係があり、公的な規定に基づいて工事を行います。そのため、トラブルのリスクを軽減することができます。
「なるほど。公で認定されている水道工事の信頼のおける業者さんということですね。」
指定給水装置工事事業者を選ぶ際のポイント
指定給水装置工事事業者を選ぶ際には、以下のポイントに注意することが重要です。
①公式な指定を確認する
水道局や自治体の公式な指定リストを確認し、指定業者であることを確認します。
②経験と実績を確認する
指定給水装置工事事業者の実績や経験を調べ、信頼できる業者を選びます。
③評判を調査する
インターネットや口コミなどを通じて、他のお客様の評判を確認し、信頼性をチェックします。
④料金や契約内容を比較する
複数の業者の料金や契約内容を比較し、適正な価格設定かどうかを確認します。
⑤対応力やコミュニケーション能力を確認する
修繕や工事の際の対応力やコミュニケーション能力も重要です。事前に相談しやすいかどうかを確認します。
「水道工事が必要な時って、漏水とか緊急度が高い時なんで、インターネットで探すとすぐ出てくる有名なマッチング会社さんへ依頼しそうになります。でも、水道屋さんってしょっちゅう依頼するわけではないので、相手が見えない分サービス的なところで不安になりますよね。」
「実は過去に指定給水装置工事事業者について、国が行ったアンケート調査で以下のような結果が出ていました。」
指定給水装置工事事業者の課題
厚生労働省が平成25年度末に行った「指定給水装置工事事業者制度の現状」というアンケート調査がありますが、そこでは工事を頼むユーザー側の改善内容などのフィードバックが公開されています。
①不明工事事業者の存在
・ 各水道事業者が公表している指定工事事業者リストに連絡がとれない指定工事事業者が掲載されている。
(一部水道事業者が確認しているだけで約3千の不明工事事業者が存在)
・ 不明工事事業者は、水道事業者からの指導監督や情報提供が行えないため資質の低下が懸念。
・ 連絡がとれないなどといった水道利用者からの苦情の原因。
②違反行為(図1参照)
・ 無届工事や構造材質基準不適合などの違反行為は、水道事業者が把握しているだけでも1,740件発生。
・ 直接水質事故につながりかねないクロスコネクションのほかに、虚偽報告等の悪質な違反行為も発生。
③苦情(図2参照)
・ 水道利用者からの苦情件数は4,864件に上る。苦情の内訳は「連絡不通」、「対応が遅い、悪い」、「費用が高額」が多く、修繕の施行不良など技術力の不足による苦情もある。
・ 国民生活センター、消費生活センター等に寄せられた水道工事や水道等の修理サービスに関する消費生活相談は約1,000(件/年)であり、横這い傾向で減っていない。
厚生労働省資料 指定給水装置工事事業者制度について 「指定給水装置工事事業者制度の現状(厚労省アンケート結果(H25年度末))」より引用
上の厚生労働省の行ったアンケート調査を元にまとめると、指定給水装置工事事業者を選定する際に、以下のような課題がみえてきます。
不明工事事業者の存在
水道事業者が公表している指定給水装置工事事業者リストには、連絡が取れない業者が掲載されていることがあります。これにより、資質の低下や苦情の原因となる可能性があります。
違反行為の発生
無届工事や構造材質基準不適合などの違反行為が発生しています。これらの行為は直接水質事故を引き起こす可能性があり、水道利用者や環境への悪影響を及ぼす恐れがあります。
苦情の増加
水道利用者からの苦情件数が増加しており、その内容は連絡不通や対応の遅さ、高額な費用などが挙げられます。また、修繕の施行不良など技術力の不足に関する苦情も見られます。
これらの課題を解決するためには、指定給水装置工事事業者の選定プロセスや運営に関する改善が必要です。
「本来信頼性を担保するはずの国の認定事業者が、信頼性を欠いているというのは矛盾ですね。しかも、公のアンケートでこういう結果が出ると、国や自治体はこういう課題があることを理解しているということですよね。実際は、人が行うので、個々に違うということでしょうが、依頼するユーザーがきちんと見定める必要が出てきますね。」
まとめ
「いかがでしたでしょうか。指定給水装置工事事業者とはどんな事業者かについて解説しました。」
「はい。課題も含めてよく分かりました。」
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