【現実】水道水に浄水器が必要とされる具体的な理由
「浄水器の購入を検討しています。結婚を機に引っ越したこともあって、浄水器の必要性を感じるようになりました。妻はずっと浄水器をつけていたらしく、はっきり「浄水器をつけないと水が違う!」と言うんです。水道水の問題など具体的な事例を交えて教えて欲しいです。」
「なるほど。生活慣習は人それぞれなので、同居するようになれば、文化の違いを感じますよね。では、具体的な事例をお見せしながらお応えします。」
まずは弊社のご紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、創業33年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。では、長年浄水器を扱っている弊社が、具体的な事例をお見せしつつ、「水道水に浄水器が必要とされる具体的な理由」に関してお応えします。
【結論】浄水器がなくても水道水は飲めます。
まず、浄水器やウォーターサーバーがなくても、日本の水道水は飲むことができますし安全です。その理由の一つが、水道水に含まれる残留塩素の存在です。 公衆衛生の観点で、浄水場で塩素消毒を行い、蛇口での残留塩素濃度を0.1mg/L以上保つことが日本の水道法で定められています。
また、世界的に見ても、上下水道がきちんと整備されている国は多くはなく、蛇口をひねれば衛生的で安全な水を使うことができる日本の水道インフラは優れていると言えます。
「日本は先進国なので、後進国に比べると水道の衛生レベルもとても高いのはわかります。でも、その残留塩素がカルキ臭とかの問題になるんじゃないですか!?」
「そうですね。確かにその通りですが、公衆衛生の観点で、水道水の安全を守るには、残留塩素は大切な措置なのです。」
【浄水器が利用される理由1】水道水が臭い。まずい。の問題
「水道水の塩素がもたらす問題でよく言われるのが以下の3つです。」
- 1. 【第1の問題】 水道水がまずい・臭い問題
- 2. 【第2の問題】 発癌性物質トリハロメタン・有機物問題
- 3. 【第3の問題】 塩素の酸化作用と配管の劣化と赤錆
「でも実は、水道水が臭いのはカルキ臭だけが原因というわけではないんです。」
「えっ!?そうなんですか?。」
水道水が臭いとして、よく挙げられるのが「カルキ臭」ですが、臭い理由はそれだけではありません。カビの臭いや、老朽化した配管などでは鉄などのカナケ(金気)臭、水が停滞している河川や貯水池では、水温の上昇によって藻などが繁殖するのでそういった臭いもあります。
地域によっては、朝起きてすぐに水道水を使う際には、一定程度蛇口から水道水を流す「捨て水」をすることが推奨されています。水道管の中で一晩滞まった水は、殺菌消毒のための塩素の効果が弱くなったり、給水管の老朽化した鋼管や鉛管からでたサビなどの不純物がたまる可能性があるからです。この「捨て水」は浄水器をつけていても同じ対策をすることをお勧めします。
「水は滞留することで問題が生じます。流れている方が良いのです。」
それらに加えて、水道管の工事時に使用した接着剤や、マンションなどの集合住宅では受水槽(貯水槽)内部の錆止め剤等の臭いが付着することもあります。
このような環境下で、水道水が各家庭に供給されるのですから、結果的に「水道水がまずい。水道水が臭い」ということにつながります。
因みに、「カルキ臭」は、安心・安全な水道水を提供するのに必要な消毒対策として利用する「塩素」と有機物が反応することで臭いが発生します。
以上でお分かりのように、単純に「水道水が臭い=カルキ臭」というだけではなく、諸々の問題が絡み合っているというのがお分かりいただけると思います。
「話を聞くだけで、浄水器が必要な気がしてきました。」
「塩素消毒は必要ですが、一方で、別な課題も発生しているという点で懸念される現実もあります。その中で、浄水器などの水道水対策は一般的になりました。言ってみれば、浄水器が我が家の入り口を守る2番目の対策とも言えなくもありません。」
「なるほど。我が家で水を使用する手前でもう一度で浄水するわけですね。ダブル浄水ですね。」
【浄水器が利用される理由2】トリハロメタンへの不安
原水となる河川などの水の中には、有機物質が含まれています。浄水する過程で塩素処理を行うと、これらの物質と塩素が反応してトリハロメタンができます。このトリハロメタンが、人に及ぼす影響として、発がん性などが疑われていることもあり、そこへの不安が浄水器を選ぶ理由の一つともなっています。 これが、一般的に言われている「水道水の塩素とトリハロメタン」の問題点です。
水道水は病原菌などに汚染されず衛生的で安全な状態を保つため、水道法に基づいて塩素による消毒が義務付けられています。 しかし、この消毒用塩素が水中の有機物と反応して、トリハロメタンを生成してしまいます。
千葉県 「その17トリハロメタンが心配なんだけど・・・?(パート1)」より引用
販売されているほとんどの浄水器は、塩素に加えてこのような有機物やトリハロメタンも同様に浄水します。
以前は、水道水中から検出されたトリハロメタンの濃度が高く社会問題にもなったこともありましたが、現在では、当時に比べ、日本の浄水品質も上がっており、高度浄水処理(オゾン・活性炭・微生物など)を導入して人の体に有害なトリハロメタンを低減しています。
このトリハロメタンの問題の解消も、一般的な浄水器を導入する理由になっています。
「確かに、妻の場合もそうですが、もう浄水器は普通なんですよね。引っ越して最初に考えるものと言っても言い過ぎじゃないくらいです。」
【浄水器が利用される理由3】水道管の赤錆やゴミや有機物をろ過したい
最後は、水道インフラの老朽化に伴う問題です。浄水場で浄水された水道水は、水道管を通って各家庭に供給されますが、その水道管が老朽化しているという問題です。
人体には影響がないとされていますが、赤錆やゴミなどが、そのまま家庭で利用する水道水に入るので、その対策として浄水器という選択をされるのが、3つ目の理由です。
「では、こちらの画像をご覧ください。この画像は、弊社『ソリューヴ』 をご使用のお客様が一年に一度のフィルター交換をした際に、使用済みのフィルターと新品のフィルターを比較したものです。」
「えっ!?こんなに違うんですか!?」
「こちらは、配管の画像です。」
「うっ……。赤錆がわかりますね。」
もちろん地域によっても異なりますが、概ね一年の使用で同じような状態が見られます。あまりに水質が悪い地域ですと、カートリッジ・フィルターの汚れが早く、結果、水道の流水量が落ちることもあります。この他にも、弊社セントラル浄水器『ソリューヴ』特設ページでは、具体的な地域名なども含め事例としてご紹介しておりますので、是非そちらもご覧ください。
この水道管の赤錆の原因の一つが、水道水内の残留塩素になります。塩素は、雑菌の繁殖を抑える効果がありますが、その酸化作用が水道管の赤錆の原因になっています。この赤錆も、先ほどの水道水の臭さやまずさの原因になっています。
「こうやって、具体的に見るとわかりやすいですね。」
地域によって水質は異なる
先述の通り、水道水は、各地域で残留塩素濃度を必要最低限の0.1mg/L以上に設定しています。これは水道法で定められており、この値を維持するために、日々の水質をチェックし、残留塩素を管理しています。
各給水所では、塩素を追加注入できるようにすることで、浄水場からの距離にかかわらず、残留塩素濃度の既定値を維持し、安全な水道水を一定的に供給しています。
逆を言えば、このことは、浄水場などに近い地域と遠い地域では塩素濃度も異なることを意味しています。又、地域によっても水質が異なりますので、元から水質がよくない地域ではその差が顕著に出るのです。
「確かに、一緒に住んでから水道水がまずくなったと感じるようになったんですよね。今まで私が住んでいた所の水質が良かったのか。それとも塩素濃度が薄いエリアに住んでいたかもしれません。」
安全のためには塩素は必要。でも塩素があることで課題もある。
「これが実際のところです。安全で安心な水道を供給するためには「塩素」は確実に必要です。しかし、一方で課題もあり完璧な状態にするのは難しいこと、維持メンテナンスにコストがかかることも事実です。その中で、日本は絶妙なバランスで先進国として品質の高い水道インフラを維持しているのです。」
「確かにトレードオフですね。」
「逆に言えば、浄水器は水道の補完といえます。私たち家庭側で独自の水対策として、それらを「選択」している状態がこれまで続いていると言えます。」
「水対策をしてない国もある中で、日本の衛生意識は特段高いのかもしれませんね。」
どこまで浄水するのか。したいのか。
「浄水器選びって結構重要ですね。浄水器といえば飲み水だけってイメージだったので、それだけでいいのかって思いはじめています。」
「そうですね。浄水器ごとにそれぞれメリット・デメリットがありますので、よく吟味される事をおすすめします。」
まとめ
「いかがでしたでしょうか。水道水と浄水器の関係と、求められる理由について多少でもご理解いただけましたでしょうか。」
「ありがとうございました。具体的な比較の画像など実例付でしたので、納得もできました。水は毎日使うものなので、妻に任せっきりではなく、自分も積極的に考えていこうと思いました。」
「ご使用の環境にあった浄水器選びをして頂きたく、専門的な視点で「浄水器のおすすめの選び方」をテーマにした記事もまとめておりますので、是非そちらもご覧ください。」
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