残留塩素の基準値に上限がないは本当!?
「水道水の残留塩素の基準ってあるんでしょうか?最近、引っ越ししたんですが、やけに水道水のカルキ臭さが気になるんですよね。」
「確かに、気になる点だと思います。では、その疑問にお応えします。」
まずは弊社のご紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、創業33年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。長年セントラル浄水器の販売を行なっている弊社が、気になる疑問についてお応えします。
残留塩素の基準は1リットル当たり0.1mg(0.1ppm)以上
浄水場で塩素処理された水道水は、各家庭に供給されるまでの間、塩素の殺菌効力を保っていなければなりません。この一定程度の塩素が「残留塩素(遊離残留塩素)」です。最終的に私たちが飲んだり浴びたりして使うその瞬間まで衛生管理をするのが残留塩素の役割です。
そして、この残留塩素の濃度基準は、水道法第22条によって定められており、各家庭の蛇口(給水栓)で、1リットル当たり0.1mg(0.1ppm)以上の濃度を保持していることが義務づけられています。
給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/l(結合残留塩素の場合は、0.4mg/l)以上保持するように塩素消毒をすること。
厚生労働省 「水道法第4条及び第22条等の関係について」より引用
「0.1mg/ℓですか。なるほど。」
残留塩素の下限値が定められているが上限値はない
しかし、下限値は0.1ppmと定められている一方で、上限値は定められていません。一方で、「美味しい水」の基準が「目標値」として定められています(国:1.0mg/L、東京都:0.4mg/L)。当然、この濃度が高ければ結果的に「水のまずさ」につながっていくことになります。
塩素は、細菌類、特に消化器系病原菌に対して微量でも迅速な殺菌効果を示すので、残留塩素は殺菌効果の保証としての意義が大きいが、多すぎると塩素臭が強くなり、金属などの腐食性を増す障害ともなり、また、水中のフミン質などと反応してトリハロメタン等を生成する。我が国では、病原菌による汚染のおそれに対する対策として、水道法第22条の衛生上の措置の一つとして、給水栓における水が、遊離残留塩素を 0.1mg/L(結合残留塩素の場合は、0.4mg/L)以上保持するように塩素消毒することとされている。一方で、快適水質項目として、おいしい水の観点から、1.0mg/L程度との目標値が設定されている。
厚生労働省「水道水質基準について | 塩素(残留塩素) 7.毒性評価・利水障害 」より引用
水道水は、衛生面から塩素による消毒を行い、蛇口での残留塩素濃度を0.1mg/L以上保持ことが水道法で定められております。東京都水道局では「おいしさに関する水質目標」を独自に定め、残留塩素濃度を必要最低限の0.1mg/L以上0.4mg/L以下としています。
東京都水道局「よくある質問 おいしく水を飲むためにも塩素の濃度を下げてほしい。水道局はどのように考えているのですか。」より引用
実際は、お住まいが浄水場に近い場所などでは、残留塩素の濃度は高くなる傾向にあります。また、その地域の水質など環境依存があり、上限値を定めることが難しい現状にあります。
本市水道局では、地域により水道水の滞留時間に差があることや、内面無ライニング管などの老朽管は塩素を消費しやすいことを考慮し、浄水場での塩素注入だけで不足する場合は配水池等で塩素を注入(追加塩素)しています。しかし、浄水場や配水池での塩素注入量が多くなると、その近傍の蛇口では残留塩素濃度が高くなる場合があります。
奈良市企業局HP 「水質の向上 残留塩素低減化対策」より引用
「確かに、この辺は水質が悪いんですよね。カルキ臭さはそういったこともあるのかもしれませんね。」
マンション貯水槽の残留塩素の注意点
マンションなどの集合住宅では、「直結給水方式」の給水設備が多くなり、各住戸に直接給水できるようなシステムが標準になってきました。しかし未だ多くは、「貯水槽水道方式」と呼ばれ、配水管を通ってきた水道水を一旦貯水槽に貯め、各住戸に給水するシステムです。
これらは、貯水槽に一度水を貯めるため、塩素の濃度が変化してしまいます。よって、「貯水槽水道方式」の場合は、管理者側が残留塩素の濃度チェックをすることになります。
「そうなんですね。でも、カルキ臭いのはどうにかしたいなぁ。」
「最近の国が行った世論調査では、水道水をそのまま使っている人の割合は4割という結果が発表されました。つまり、6割が浄水器やミネラルウォーターなど、何らかの対策を講じていることがわかりました。」
「へぇ〜。やっぱり結構多いですね。」
水道水の塩素の3つの問題
「ここで、水道水の残留塩素の3つの問題について少し説解説します。」
- 1. 【第1の問題】 水道水がまずい・臭い問題
- 2. 【第2の問題】 発癌性物質トリハロメタン・有機物問題
- 3. 【第3の問題】 塩素の酸化作用と配管の劣化と赤錆とゴミ
【第1の問題】 水道水がまずい・臭い問題
まず、「水がまずい」問題です。これにはカルキ臭やカビ臭などがありますが、塩素起因としては、残留塩素と水中の有機物が結合して発生します。よくレストランや喫茶店などで出されるお水ですが、水道水を使っていると臭さを感じることがあると思います。塩素はビタミンCなどの食品の成分を壊してしまいますので、料理屋やコーヒーなどの味を落とします。
先ほどお話しした通り、残留塩素の濃度基準は「水道法」で、0.1ppm以上の濃度を保持していることが義務づけられていますが、地域の水質の違いによっても異なります。水質汚染がある場所では塩素の投入量は増加しますし、細菌が繁殖しやすい夏場などは塩素の投入量も増えるため、カルキ臭は更に高まります。これに加えて、夏場はカビ臭も増えてきます。
このようなこともあり、朝一の水道を使うときには、「捨て水」を行い、一定程度水を流すことが推奨されています。こちらは、浄水器などをつけていても同じです。
【実例付】水道水がまずい!臭い!その理由を専門解説カルキ臭=塩素臭ではない事実
「ところで、塩素の臭いがカルキ臭だと思っている方も多いかと思いますが、実は臭いについては少し違います。」
「えっ?そうなんですか?塩素臭だと思ってました。」
カルキ臭は、塩素とある物質が反応して発生するものです。浄水場の水源は環境によって異なります。水源が汚染されているとアンモニア性窒素などが増加します。そのような水と浄水場で投下される塩素が反応してできた物質(トリクロラミン)が主な原因です。つまり、水源がきれいな地域の水道はカルキ臭は少なく、逆に水源の汚染が酷い地域の水道はカルキ臭さが強くなるということが言えます。
「なるほど。」
【第2の問題】 発癌性物質トリハロメタン・有機物問題
「次に、塩素起因の問題としてよく言われるのが、トリハロメタンです。」
「それは、聞いたことはあります。浄水器を購入する時目にします。」
塩素は水道水内の一部の有機物質(主にフミン質)に反応して、体に良くない発がん性のある副産物を生成します。それがトリハロメタンです。 トリハロメタンは、具体的にクロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの総称です。水道水内のトリハロメタンの許容量も基準が設けられており、0.1mg/ℓ以下となっています。
【第3の問題】 塩素の酸化作用と配管の劣化と赤錆とゴミ
3つ目が、塩素の持つ酸化作用が、浄水場から私たちの家庭に供給する「水道本管」。そして、水道メーターを境に私たちの住宅内の蛇口やお風呂場に繋がる「給水管」に影響を及ぼすことです。実は、水道水に含まれる塩素が酸化剤となり、水道管の錆びの原因になっています。
「え、そうなんですか?」
赤錆は、鉄が酸化して発生する赤茶色の錆びです。放置しておくと錆が広がり鉄がとても脆くなります。築年数の古い住宅やマンションなどでは、給水管でも鉄管(鋼管)が使われていることもあります。
水道管や給水管の素材には鉄管(鋼管)以外にも、ステンレス管や、樹脂管(塩ビ管など)などの錆びにくい素材もありますが、コスト面や加工のしやすさ、耐久性などの問題もあり、水道の基幹部分には長らく鉄が使われてきました。
普段使っている水道水が透明なように見えても、水道管内部や継手の腐食によって赤錆が発生してる場合は、徐々に水道水に溶け出しています。
実際にどれくらいの赤錆があるかを検証
「その証拠に、まずはこちらの画像をご覧ください。この画像は、弊社セントラル浄水器『ソリューヴ』をご利用のお客様が年に一回カートリッジ・フィルターを交換されるのですが、その交換時の使用済みのカートリッジ・フィルターと新品のカートリッジ・フィルターの比較画像です。」
「うわっ…。すごいですね。比較すると違いがよくわかります。透明なようでも、一年間蓄積するとこんなになるんですね。」
「こちらは、配管内の赤錆です。」
「これって、浄水器をつけていなかったら、この水を使っていたということですよね。」
「もちろん、地域によって差はありますが、概ね同じような結果になります。その他の事例をご覧になりたい場合は、弊社『ソリューヴ』の特設ページにてご覧頂けます。」
まとめ
「いかがでしたでしょうか。水道水の残留塩素の基準値についてお分かりいただけましたか。」
「はい。良くわかりました。とにかくこの水道水のカルキ臭さ何とかしたかったのですが、やはり、対策をしたほうがよさそうですね。」
「弊社は、住まいの大元から浄水するセントラル浄水器『ソリューヴ』をご提供しています。普通の簡易的な浄水器とは異なり本格的なものですが、是非、特設サイトもご覧ください。」
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