水道料金はどういう考え方で決まっている?
「水道料金ってどう決まるんでしょうか。」
「確かに気になりますね。では、解説します。」
まずは自己紹介
弊社、株式会社メイプル・リンクは、創業33年のセントラル浄水器メーカーです。セントラル浄水器『ソリューヴ』の企画・製造・販売を行なっております。長年セントラル浄水器の販売を行なっている弊社が、気になる疑問についてお応えします。
基本料金と従量課金
質問;どのような考え方で水道料金は決まっているのですか。
回答; 水道事業の運営に必要となる経費を算出し、その経費を、水道メータの口径の大きさと使用水量とに応じてお客さまに負担していただくように水道料金を設定しています。従量料金は、使用水量の増減に応じてかかる経費を、お客さまに負担していただく料金です。
東京都水道局 「よくある質問 | 質問;どのような考え方で水道料金は決まっているのですか。」より引用
口径に応じた基本料金部分と、使用量に応じた従量課金部分の2つとなり、基本料金部分が水道メータ設置費や料金徴収費、施設の維持管理費など、従量課金部分が、動力費、薬品費などとなっています。
基本料金は、使用水量に関係なく水道サービスを供給できる体制を維持するための経費をまかなうもので、主に検針・料金徴収業務やメーター設置などにかかる経費を基に算出します。
従量料金は、使用水量に応じて必要となる経費をまかなうもので、薬品費や動力費など給水量に応じて変動する経費や施設の維持管理にかかる経費を基に算出し、逓増型の単価(注)を設定しています。
(注)逓増型の単価:毎日使う生活用水は単価を低くという考え方を基本として、使用水量が多くなるにしたがって単価を高く設定することです。
北九州市上下水道局 「水道料金は、どのような考え方で決めているのですか?」より引用
水道料金は、水道事業の運営費用をカバーするために設定されています。料金は「基本料金」と「従量料金」の合計で計算されます。基本料金は、使用量に関係なく、水道サービスを提供するための基本的な費用をまかないます。一方、従量料金は、使用した水の量に応じて変わり、使用量が増えるほど単価が高くなる仕組みになっています。
「なるほど。」
料金の基本的な考え方
水道料金の算定方法は、総括原価方式。
※原価(人件費、動力費、修繕費、受水費、減価償却費等)+支払利息+資産維持費を基礎として定める。
○地方公共団体が水道事業を経営する場合、
①水道料金は議会の議決を経て条例で定めなければならない。
②独立採算制を採用しなければならない。
③水道料金を変更した場合には、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
○水道法第1条の目的規定には、清浄にして豊富低廉な水の供給がうたわれている。
水道料金は、「総括原価方式」で計算され、経費や利息、資産維持費をもとに決められます。地方公共団体が水道事業を運営する場合、料金は議会の承認を得て条例で定め、独立採算制を採用し、変更時には厚生労働大臣に報告する必要があります。水道法の目的は、安全で豊富な水を安価に提供することです。
「総括原価方式って原価に応じた価格設定ということですね。」
「そうですね。わかりやすく公平性を保てる一方でデメリットもあるようです。」
○原価積み上げにより料金が算出されることから経営効率の改善に向けたインセンティブが働きにくい。
→経営努力でコスト圧縮をしても利益は増えない
→増加するコストの安易な料金への転嫁も考えられる
○情報公開が十分にされなければ、費用構造が不明確である。
厚生労働省 「水道料金について」より引用
水道料金は原価を積み上げて計算されるため、経営効率を上げるインセンティブが弱く、コストを削減しても利益が増えません。また、コストが増えた場合、料金を簡単に上げる可能性があります。さらに、情報公開が十分でないと、費用の内訳が不透明になります。
「なるほど。そもそもですが、各地域ごとで経営しているということは水道料金も地域によって違うということですよね。」
主要都市から見る水道料金の地域差
「水道料金は地域によって異なります。
水道料金は、水道事業を運営する水道事業体ごとに違います。それは、水源からの距離、原水の水質、水道の布設時期などにより、水道事業にかかる経費が異なるためです。
なお、東京都内では、23区及び都営水道に統合している26市町の区域内は、同一料金になっています。
東京都水道局 「よくある質問 | 質問;以前は埼玉県に住んでいたのですが、水道料金は違いますか。」より引用
東京都水道局 「東京の水道」より引用
「本当だ。地域によって給水人口も職員数も違い、結構な水道料金の地域差が見てわかりますね。地域によって色々な要因がありそうですね。」
まとめ
「いかがでしたでしょうか。水道料金について解説しました。」
「はい。水道料金はそういうものだと思っていたので、改めて、内容を調べたことがありませんでした。地域によって違いがあることもわかりました。」
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